読読日記

経営、経済、金融を中心とした読書日記

『ギャンブル依存国家・日本 パチンコからはじまる精神疾患』帚木蓬生 光文社新書

東京等の大都市では、駅前一等地に必ずと言って良いほど××××がある。どれだけ周囲が再開発されようとも、そこに××××はある。地方、郊外に行くと大きな立派な建物がある。その建物は役所、病院、ラブホテル、もしくは××××である。 ××××とは、パチンコ屋のこと…

『歓声から遠く離れて 悲運のアスリートたち』中村 計 新潮文庫

新卒採用において、体育会系の人材は多くの会社で重宝される。先輩後輩といった人間関係に慣れていること。何かに打ち込んだことがある経験を有していること。何らかの目標達成といった成功体験や挫折体験を有していること。そんな理由から重宝される傾向に…

『「昔はよかった」病』パオロ・マッツァリーノ 新潮新書

昔は良かった。空が高く、空気が澄んでいた。家族が一緒に住み、隣近所の人とも家族の様だった。人情が溢れ、平和だった。色々な文脈で様々なノスタルジーが語られる。 ◆日常と非日常 日々の日常に置き換えた時、それらの言葉は、どこまで真実足りうるだろう…

『決断力』羽生善治 角川oneテーマ21

仕事をする上で、攻める思考の時と守る思考の時とがある。前者は案件を仕込みに行く時で、後者は撤退する時だ。いずれの時も関係者が誰で意思決定の仕組みがどの様になっているのか。どの様な時間軸で意思決定が為されるのかを慎重に考えて取り組んでいる。 …

『不本意な敗戦 エルピーダの戦い』坂本 幸雄 日本経済新聞出版社

◆敗戦と撤退戦 不本意でない敗戦というものがどの程度あるのだろう。「この敗戦は仕方ない」ともし経営トップが思っているとしたら、それは責任を放棄していないだろうか。本音で思っているとしても、少なくとも部下の立場からは、最後まで諦めて欲しくない…

『その人脈づくりをやめなさい』千田 琢哉

立食パーティー等でやたらと名刺交換をしてくる人がいる。その場でパーティートークを行うことになる。でも、今まであまり盛り上がった試しが無い。偶然の出会いはあるのかも知れないけど、そういった形でビジネスに繋がったことは無い。 ◆目的をもって人に…

『趣味力』秋元 康 NHK出版

先日、仕事で秋葉原に行った。街の異様な雰囲気に威圧される。早く立ち去りたいという本能的な欲求。一方で、少し雰囲気を感じたいと思う気持ちも。不思議な街だ。 駅前にはガンダムカフェがあった。その横にはAKBカフェ。テレビを殆ど見ないこともあり、今…

『創業1400年 世界最古の会社に受け継がれる16の教え』金剛 利隆 ダイヤモンド社

1400年続く会社がある。企業の多くが創業から3年、10年、30年といった節目を乗り越えられない。30年を超える時、多くの企業では代替わりが経営課題となる。 ◆代替わりを如何に行うか 企業は経営陣によって如何様にも変化する。経営を脈々と繋いでいくこと。…

『新・戦争論 僕らのインテリジェンスの磨き方』池上彰 佐藤優 文春新書

◆ジャーナリストはスパイになる素養を持っている ジャーナリストは刑事や探偵になる素養を持っている。子供の頃からのスパイ小説の影響かも知れないけど、ずっとそんな風に思っている。池上氏を見ているとそんな風に思う。 世の中の情報を組み立てて、持って…

『大局観 自分と闘って負けない心』羽生善治 角川oneテーマ

色々な分野で職業的専門家、プロと呼ばれる人がいる。特定の分野を極めている人の話は、気づきを貰えることが多い。最近では、コンピュータが人を負かす何てことも起きている様だけど、それでもトップレベルのプロ棋士と呼ばれる人たちには興味深い人達が多…

『最高の戦略教科書 孫子』守屋淳 日本経済新聞社

◆最近、仕事でコンペが増えている 仕事において競合企業とコンペになることが多い。相見積もりと業者っぽく扱われるか、ビューティーコンテストと綺麗に語られるか、呼び方は様々。仕様書であったり、RFPであったり、何らかのお題があって、提案を行う。 競…

『スピーチライター 言葉で世界を変える仕事』蔭山洋介

日本でも政治の世界にスピーチライターが進出してきている。 トップの言葉に関心が集まる。 言葉の力が注目を集める。 安部政権はまさにその典型と言える。 ◆Buy my Abenomics 英語としてどうなのかはよく分からない。 正しいのか、ニュアンスとしておかしく…

『自己啓発病社会』宮崎学 祥伝社新書

自己啓発とは不思議な言葉だ。人によって受け止め方は異なるのだろうが、ボクには少し気恥ずかしいニュアンスを感じさせる。 人に隠れてこそこそとやるイメージ。 未熟な自分を自覚していて、その未熟さを他人に気づかれたくない。 その未熟さは一種のコンプ…

『独立国家のつくりかた』坂口恭平 講談社現代新書

表面的には荒唐無稽なことを言っているけど、いつも色々と考えるきっかけ、気づきがある著者の一人。好きではないけど気になる。避けようとするけど気になる。 最近気づいたのは、自分自身が十分言語化できていないことを、この人は言語化しているんじゃない…

『IQよりも知識よりも、僕たちは知恵を身につけるべきだと思う』森田正康 クロスメディアパブリッシング

タイトルに激しく共感。陳腐化するものに拘るのではなく、一生を通じて使える錆びないものを身につけよう、といった発想は凄く大事だ。時代の変化ははやい。変化についていくのも大事だが、速い流れの底を流れる普遍的なものを身につけることの方が大切だ。 …

『CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる』JCカールソン著

小学生の時、落合信彦の著書を愛読していた。テロリストや諜報機関の話が多く、子供心にはスパイ小説を読んでいる感覚だったが、母が心配していた。母からすると全共闘とか、左翼とかそんなことに興味を持つのではないかと気が気でなかったのだろう。 そんな…

『説得は「言い換え」が9割』向谷匡史 光文社新書

ビジネスに限らないだろうけど、説得で人は動かない。本当の意味では動かない。人が動くのは自発的なエネルギーによるものであり、納得しない限り、その動きは一時的な、表面的なものに過ぎない。 組織管理₍特に営業組織⁾において、「詰める」カルチャーがあ…

『アングラマネー タックスヘイブンから見た世界経済入門』 藤井厳喜著

イタリアの地下経済は、マフィア・バチカン・チャイナが主因 多くの人にとって、「イタリアの地下経済はマフィアが主因」と言われれば、「ああ、やっぱりね」といった反応だろう。でも「イタリアの地下経済はバチカンが要因なんだよ」と言われればどうだろう…

打ち合わせの天才

通常、打ち合わせには目的がある。アイデアを出すブレストなのか、情報を共有/交換することなのか、物事を決定する為の会議体なのか等。 そういった打ち合わせを表す言葉は「あの打ち合わせは盛り上がった」、「長い打ち合わせだった」、「打ち合わせで色々…

会社人生は評判で決まる

組織内の評判は気にしていないはずなのに、思わず手に取ってしまった。 評判が良い、周囲との関係が良いということは、業績が良い、優秀であるということ以上にもっとも幸福感に直結した重要な要素 出世がどうといった話ではなく、もっと人として根源的な欲…

目の見えない人は世界をどう見ているのか

ずばりタイトル通りの本。複数の目の見えない人との会話を通じて、目の見えない人は世界をどの様に感じているか、把握しているかを教えてくれる。視覚に頼らない分、聴覚であったり、他の機能を活用していたり、素直な驚きがあった。 だんだん見えなくなって…

世界の権力者が寵愛した銀行 ~タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白

金融史上最大の顧客データリーク事件が明かしたプライベートバンクと大富豪、政治権力者の闇コネクション。あなたはまだ銀行の本当の存在理由を知らない。 帯の紹介文にやられた。橘玲氏が監修・イントロダクションという点も思わず書店で手に取った理由。ど…

急成長企業を襲う7つの罠 ~なぜ、7割の企業が創業10年を迎えられないのか?

リンクアンドモチベーション出身の方が書いた本。自身が人材コンサルタントとして見てきた事例と、自身が所属していた会社の経験に基づいた話。7つの罠とその処方箋となっていて、ある種のあるある系の指摘とも言える内容が並ぶ。 ①拡大の熱量に依存する ②…

ALLIANCE 人と企業が信頼で結ばれる新しい雇用

リンクトインの創業者であるリード・ホフマンの著作。ペイパル・マフィアの一員。ペイパル・マフィアと言えば、イーロン・マスクやピーターティール等、ペイパル出身者がまるでマフィアの様に深く強絆で結ばれていることが象徴的。OBと呼ばないことが、何か…

田舎のパン屋がみつけた「腐る経済」

パン屋さんが経済を語る本。2013年末に話題となった本らしい。年始にネット記事で取り上げられていて、タイトルに惹かれてAmazonで注文。 かな〜り意訳すると、今の経済は拡大再生産、成長は善とされていて、自然の摂理に反している。でも、それっていびつで…

なぜ、真冬のかき氷屋に行列ができるのか?

神奈川県鵠沼海岸の人気かき氷屋「のあん」のご主人へのインタビューと経営コンサルタントの解説といった本。 かき氷専門店で通年営業、1杯800円と、商売として成立するの?といった興味が湧く要素が満載。そう言えば、埼玉県の長瀞とか、日光中禅寺湖とかに…

溶ける ~ティッシュ王子の懺悔録

ティッシュ王子こと大王製紙の元社長である井川氏の本。 100億円を超える巨額の資金をグループ企業から借り入れ、ギャンブルに費やしていたという。金額もさることながら、大王製紙という上場企業が関わった話ということもあり、興味を持った。 会社が創業者…

ダイナム香港上場(IPO)1年間の軌跡〜パチンコ業界最大の革命を追う 鮎川 良著

著者は東京IPOというマーケット情報サイトの運営を行っている方らしい。 IPO関連の著書も何冊かあるとのこと。 正直、期待外れというと失礼でしょうか。 香港市場への日本企業の上場も殆ど無いこと(dual listingなるものでの実績はあり)、 パチンコホール…

なぜマッキンゼーの人は年俸1億円でも辞めるのか? 田中 裕輔著

26歳で同社史上最年少マネージャーに就任した経歴の著者。 MBA取得後、米国で起業し事業売却、その後DeNAアメリカ上級副社長就任。 現在は、ロコンド社という靴の通販サイトの代表取締役を務めているらしい。 タイトルを見て、中々キャッチーなタイトルを付…

外資系金融の終わり〜年収5,000万円トレーダーの悩ましき日々 藤沢数希著

著名ブロガーの著書。 著者は欧米の研究機関で理論物理学の博士号を取得。 外資系金融機関でトレーダーとして働き、現在はヘッジファンド設立準備中といった経歴の方みたいです。 外部からは良く分からない"外資系金融”といった響き、 年収5,000万円!!と一…